作品一覧

注意書きの
“残酷な描写”とは、流血表現や暴力表現が詳細に書かれている場合を指します。人が死ぬ場合でも、簡潔な表現の場合は注意書きをしておりません。
“性的な描写”においても、性行為について詳細に書いてある場合を指します。簡潔な表現の場合や、暗喩の場合は注意書きをしておりません。

あくまで筆者個人の裁量による注意書きですが参考にしていただければ幸いです。
物語を楽しむために、過度な注意書きを避けております。あらかじめご了承ください。

読了目安は1分間に500文字を読むという過程で計算したものを、筆者が適当にキリの良い時間に直して書いています。参考程度にご活用ください。

表紙イラストをクリック、タップすると作品を開くことが出来ます

013 思色の打掛(2時間25分)※一部残酷な描写があります

明治中期~後期ごろの、忍の里を舞台にした物語。

帝都から里へ帰ってきた燐太郎《りんたろう》に、忍修行中の少女 鼓《つづみ》が一目惚れするところから始まる。洋装を着こなし、優しげに笑う燐太郎に心惹かれる鼓だが、程なくして姉のサヤと燐太郎が婚約したことを知らされる。ショックを受けながらも大好きな姉を祝福する鼓。けれど、幼い頃から鼓を気にかけて助けてくれていた蒲《ガマ》はサヤに対して懐疑的で……。

様々な思惑が巡りながら、才能とは何か、自分にとっての幸せとは何なのか、探し、悩み、苦しみながら美しい破滅へと向かっていく。

012 羅刹の娘(3時間30分)※一部残酷な描写、性的な描写があります

人口の約30%が霊力を持ち、妖《あやかし》と呼ばれる人間とは異なる種族との共存が求められる社会。共存とは言うものの、霊力の少ない人間からすれば妖は脅威である。従ってそれらと対抗する術を学ぶための学校が存在する。──その中で名門校である土御門学園に所属する少年少女の物語。

本作は高校生編と中学生編で構成されている。

高校生編では、新しく生徒会に選ばれた高校一年の三丿神《さんのかみ》が、同じく一年生で生徒会に選ばれた三幸《みゆき》と出会い、どこか陰のある美しさに惹かれながら彼女の心を知ろうとする。様々な男を翻弄し、従えるために手段を選ばない三幸の真意とは……?

中学生編では、三幸が中学生の時に巻き込まれた事件から、生まれた時の話まで遡る。義妹、義母との確執、愚鈍な父、奸悪な祖父、誰一人味方とは言えない家の中で三幸が苛烈極まる精神を育てていく。

力はなく、美貌と話術のみを武器にする少女の、危うくもあり、どこか清々しくもある生き様を描きました。

011 どうぞ、私を殺して(45分)

殺し屋の男が疲れ切った顔をした女に助けられる。男は自分が殺し屋であることを知られてしまった以上、何かしらの対処をしなければならないが、出来ないまま助けてくれた女の家を去る。しかし、再び仕事で怪我をしたところ女に出くわしまた助けられてしまう。

お人好しのようだが、あまりにも愛想の無い女が何を考えているのか分からず、けれども助けられた以上、恩を感じてしまう男はある日、女が拐われるところを見てしまい……。

010 エベーヌの虚城(35分)※一部残酷な描写があります

怪我をして森で倒れていた少年ルカは、シスターエベーヌに拾われて傷を癒やしながら小さな森の中の家で他の12人の子供たちとともに暮らし始める。

中世ヨーロッパ、魔女狩りが過激化していた中で、不可思議な行動をするエベーヌと病弱な妹の存在。そしてある日、妹の治療のため家を空けることになったエベーヌ。寂しさで泣く子供たちの中でルカの狂気が目覚める!

009 帰月(45分)

同じ高校に通っている二人の少年の物語。

教師から不良というレッテルを貼られた八雲《やくも》は、自分とは正反対の優等生と言われている尊《たける》が授業をサボっているところに遭遇する。

話してみると意外にも気が合って、すっかり仲良くなった二人はよく遊ぶようになる。

八雲は次第に、尊の死んだ姉のこと、拭うことの出来ない孤独感を抱えていることを知っていく。哀しげに笑い「故郷なんか、ない」と言った尊は、どこへ向かうのか。

ディアスポラ(=離散した人々)をテーマに書いた孤独で儚い少年たちの話。

008 ホモフォビア/テレパシーサイドストーリー(15分)

源元 政《みなもと まつり》とその恋人 加矢《かや》の物語。政は『テレパシー』にて、メインキャラクターだった高木の友人として登場している。

良好な関係の政と加矢は、あることをきっかけに大きくヒビが入ってしまう。しかし、加矢には意見をゆずれない理由になった過去があり……。

『ホモフォビア』単体でも読むことが出来ますが、若干『テレパシー』のネタバレが含まれます。

007 テレパシー(3時間10分)

高校生になり、友達と部活動見学に向かった一信《かずのぶ》。弓道部に入ろうかと考えて、人だかりが無くなっても見学を続けていると優しげな部長から声をかけられ道具を見せてもらえることに。そこで遅れてやってきた三年生の先輩 高木《たかぎ》と出会う。

物憂げな表情で無口な高木は、冷たい印象を受けるが一信は次第に彼の優しさに気づいていく。弓を引く姿の美しさに惹かれ、高木自身へも惹かれていく一信。最初は困ったようにしていた高木も少しずつ心を開くようになり、明かされていく高木の危うさ。人間の醜さ、鬱屈を想いながらも、少年たちが愛とは何なのか考えていく物語。

006 白い背中(40分)

穏やかな高校生活をおくる少年。警察組織に所属している父親を持つ彼は、幼い頃親しかった少年と再会するが、少年の父親は暴力団関係者であり、互いに成長した今となってはかつてのように会話をすることはない。しかし彼は思わず少年のことを目で追いかけてしまって……。

四季を象徴としながら二人の関係が変わっていくストーリーになっています。

わずかに『薔薇色の男娼』と繋がっている部分がありますが、直接関係はないので片方だけ読んでも困らないはず。

005 薔薇色の男娼(1時間55分)※一部残酷な描写、性的な描写があります

荒廃した世界でいくつか残っている人の密集した都市、そこで行われる内紛、歪んだ秩序の下にある治安維持。

堤《つつみ》は、現在の上司である男に強引に連れられて高級娼館を訪れるが、男娼のランファを見た途端どうしていいか分からなくなり店から逃げ出してしまう。しかし、しばらくしてもランファのことが忘れられず今度は自分で娼館へ向かう。

性的な関係を持たずに繋がれていく二人の関係。謎めいた男娼ランファの正体とは、そして二人の関係の行方は如何。

004 アコニの花束(1時間25分)※一部小児加害など残酷な描写があります

近代ヨーロッパを舞台にした復讐劇。

ある事件により、車椅子での生活をおくることになった少女イネスは、その事件に関わった人間を探し出して自らの手で復讐することを願っている。唯一の味方である元奴隷のルイに協力してもらうが、なかなか犯人は見つからないまま、親の勧める実業家イーザック・フォーゲルの元へ嫁ぐことを決める。

最初は互いに利害関係のみで成り立つ冷え切った夫婦関係だったが、ある出来事をきっかけに仲が深まり、やがて復讐へ協力してくれることになるが……。

003 救わぬ神より救う化け物を愛す(55分)

貧しい村で生贄に捧げられた少女は、山奥の社に住んでいる神と出会う。神の滋養になるため食い殺されると思っていた少女だが、神は少女を気に入り側に置くことに。

次第に明かされる神の本性。果たしてそれは本当に神なのか、それとも……。

002 黄色の信仰(5分)

父親の目の前で自殺を図ろうとする少年。生きるということは他人に迷惑をかけることだと考える少年と、性善説を元にした考えをもつ父親とのすれ違いにより悲劇をたどる。

001 友達が死んだ話(5分)※一部残酷な描写があります

通り魔に友人を殺された少女が、その突然の現実を受け入れられず、死について考えていく独白のような短い話。

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